大島紬ってどんな着物?

大島紬ってどんな着物?

大島紬は、発祥の地である奄美大島をはじめとして鹿児島県各地で、長年にわたり伝統工芸品として大切に受け継がれている織物です。
伝統的な製作工程では、手作業で絹糸をつむぎ、織り上げる前に糸を泥で先染めし、平織りの手織りで完成させます。
こうして出来あがった絹布または、絹布から縫製した着物が大島紬です。
泥染めの大島紬では、染色の段階で糸に鉄分が豊富に染み込み、この泥の影響で虫食いしにくいと言われています。
なお、今日では伝統的な方法で泥染めしている工房は非常に少なくなっていて、現在製作されるほとんどの大島紬は泥染めではありません。
泥染めこそしないもののエキスを使用して先染めした伝統的な大島紬や、真っ白な元の絹糸をそのまま織り上げたもの、後染めで模様を施したものなど、様々な大島紬を楽しめるようになっています。

大島紬を着るのに良い季節は?

大島紬は、絹糸を織り上げた織物です。
シルクは吸湿性・通気性・保温性に優れていると言われている優れた素材です。
春夏秋冬それぞれの季節を通じて楽しむことができるのが大島紬です。
通常の大島紬は保温性に優れているため、寒い季節にもおすすめです。
さらに大島紬には、夏大島という種類があります。
こちらは特に通気性に優れているため、暑い夏にはおすすめです。

白い大島紬ってなに?

伝統的な工程で製作される大島紬は、絹糸を先染めすることで独特の色合いを出しています。
白大島は、その名の通り白い大島紬です。
主に白い絹糸を使用して織り上げることで絣模様を出す白大島には、独特のかろやかさと美しさがあります。

絹糸を染めずに真っ白なまま使用したものだけではなく、白い泥のエキスで先染めしたものもあります。
通常、絹糸は時間が経つことで黄変してしまうのですが、白泥染めではこの黄変を抑えることができ、長年真っ白な色合いを保つことができるようです。
絹糸の光沢も抑えられ、独特の白さを持つのが白泥染めの特徴です。

大島紬のコート?

大島紬と言えば、もちろん伝統的な着物です。
コートは皆様ご存知の通り、ヨーロッパ発祥の外套・防寒用の衣類です。
最近では、大島紬を使用したコートも制作・販売されています。
大島紬のコートは、着る機会がなくなった大島紬をリメイクすることで作られるものも多いようです。
本来の美しい生地、柄や、素材の暖かさが活きた和洋折衷のコートもぜひお試しください。

男性にもおすすめ、大島紬

今日では着物といえば、女性がお茶会や特別な集まりに参加する時に袖を通すもの、というイメージが強いかと思います。
ですが元来は、男性にとっても日常生活で着用していた着物で、ゆったりとしながら通気性にも保温性にも優れ、快適に過ごせる衣類です。
大島紬は絹糸から織り上げられる着物です。
絹糸の特性である吸湿性、通気性、保温性により、快適さはより一層のものがあります。
見た目にも美しい外見をもつ大島紬ですが、その音にも特徴があります。
大島紬を着て歩くと、生地同士が擦れ合うことで「シュッシュッ」という独特の心地よい衣ずれの音が聞こえます。
こういった大島紬の機能性と着心地、美しさ、音など、女性だけではなく男性にもおすすめです。

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